2012年3月3日土曜日

専門店だから出来ること

今日は写真の『定点観測システム』をご紹介します。
ある日、当店にこんな依頼がありました。それは「北欧の海中で、定点観測システムを組みたい」というもので、条件は簡単に言うとこうです。


  • インターバル撮影が可能なコンパクトデジタルカメラ
  • ワイドコンバージョンレンズの取り付け
  • ストロボ2灯
  • カメラ、ストロボx2共に海底に設置したシェルフ(ラック)にそれぞれある程度の角度調整可能にして固定する

という感じで、まずはカメラですが、調べたところ「PENTAX Optio WG1」が可能なことがわかり、それに対応するハウジングとしてはワイコンも取付可能な「レクシー WG1」に決まりました。海中では流れもあるので、ストロボは一番コンパクトな「イノン S-2000」にし、ハウジングにケーブル差込口が1箇所しかないことから、1灯は光ケーブルでハウジングと接続して、2灯目は「L型スレーブケーブルIII」でストロボ同士を接続してシンクロさせることにしました。

あとは、ハウジングとストロボをシェルフにどう固定するかですが、ハウジングはレクシーさんと相談して、底部にプレートを追加して「ウルトラライト ダイレクトベース」が固定できるようにしてもらい、水の抵抗で観測中に角度が変わってしまわないように考慮して、一番把握力が強くて固く固定できる「ウルトラライト クランプSD」でULダイレクトベース同士を接続する仕様に改造しました。ストロボは「イノン ダイレクトベースIII」を取り付けて、クランプSDでULダイレクトベースと接続。あとはシェルフにプレートを取り付けて、ULダイレクトベースを固定すれば完成です。あと、注意すべき点と言えば、光ケーブルが抜けないように固定することや撮影後にハウジング開閉ダイアルに砂などが溜まって開閉できないようになる可能性をどう防ぐかといったところですが、これは現地にお任せです(;・∀・)w

最終的に、このシステムを合計4セット納品させていただきましたが、テスト撮影はバッチリだったようです。ちなみに来月以降?の本番では、海底から何か噴き出している場所があり、その噴き出し口を24時間ほどインターバル撮影し、生物や状況を観測するために使用するようです。北欧なので、水温もかなり低く、バッテリーがどれだけ持つかが心配ですが、クライアントといろいろ相談して試行錯誤して組み上げた”Made in Japan”のシステムが世界で活躍するのは嬉しいですね(´▽`)